潘麗 パンリー

上海にいたとき、

わたしは
現時点で最も愛する

〔音色〕に
出会いました。

それは、二胡です。

金曜日の夜、
たまたま行った中華レストランで
初めて聞いた音。

一瞬で取り付かれました。

奏者は、
潘麗〔パンリー〕。


少し切なく、

でも
力強く響くその音に、

時間を忘れて
聴き入りました。

その週からは
もう虜になってしまい、

毎週   金曜日の
20時半〜22時までは、

どっぷりパンリーの二胡に
浸りました(*^^*)

それでやっと、

激動の
1週間が終わる、という
サイクルです。


有名だと言われる奏者の
演奏会にも
たくさん行きましたが、

パンリー以上は
いませんでした。


中国の伝統的な
擦弦楽器の一種である
二胡は、

琴筒がニシキヘビの
皮で覆われ、

弓は
馬の尻尾で作られています。


〔生き物〕で
作られている
楽器だからでしょうか…


どんなに
知名度があって

技術的に優れている奏者よりも、

気持ちが乗った
パンリーのほうが
素晴らしいと思います。


パンリーは、
毎週
涙しながら
聴き入るわたしに、
こんな話をしてくれました。

『わたしはね、安徽省の出身なの。
〔安徽省は、
   中国の中で最も貧しい省として
   知られています〕

   昔から父に強制的に
   二胡を習わされ、
   そのおかげで
   上海の音大に進学したものの、
    最初はまったくお金がなくて。

   始めた二胡教室も
   まったく生徒がいなくて、
   路上で演奏したりしてた。

   でも、ひたすら夢を追って 
    努力し続けた結果、
    今は上海人の生徒が200名いるよ。

    次の目標は、
    日本でのソロ演奏会。

    あなたも、 
    異国の地で大変だと思う。

    でも、もし挫けそうになったときは、

    パンリーも頑張ってるから
   わたしも頑張ろう‼︎と自分を励ましてね』


自身の生まれや、
苦労して這い上がったことを
初めて聞きましたが、

その話を聞かなかったとしても、

パンリーが
どんな思いで毎日を生きているのか。

生き抜こうとしているのか。

その気持ちが
音色とともに乗ってきて、

心をぐっさりと
突き刺すのです。

楽器は
気持ちで奏でるものなのですね。




そのパンリーが、
なんと4月に岐阜で

演奏会をすることになったと
言うではありませんか😭
なんという
ご縁なのでしょう😭😭😭

今はこの日が、
楽しみで仕方ありません。


おわり





























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